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からっぽの日記


2007-07-29(日) 晴れ [長年日記]

手紙 (文春文庫)(東野 圭吾)

解説に『鏡の中で立ちつくしている自分を見せつけられることになる』といった表現がされているがまさしくその通りだと思う。犯罪加害者の家族... 重いテーマの作品ですが、読み始めは主人公に対する差別・排除に仕様がない立場の人間はいると思うがこの社会はおかしい、自分はそんなことはないと無意識に思いつつ読み進めていました。でも、この言葉によってすべてが一辺しました、『我々は君のことを差別しなきゃならないんだ。自分が罪を犯せば家族も苦しめることになるーそう思い知らせるためにもね』。自分とは関係ない世界とどこかで思っていた。だから自分は差別なんてしないと思い込んでいるだけだった。明らさまな差別はしないかもしれない。でも、同上や過剰に気を使ったりするのではないか。この作品の主人公に対しても同上しているだけの偽善者な自分に気付かされた。

最後に兄弟に残酷な決断を行わされるのですが、犯罪を犯す、罪を償うとはなんなのか... 最後の手紙のやり取りを見てこの物語の深く重いテーマに安易な考えで読み始めた自分に嫌悪しました。たぶん答えなんてないのだろう、無いからこそ罰なんであろう。


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